子供の頃は、お料理、スケッチ、お話の創作、手芸が好きだった。
母が働きに出ていくようになり、間もなくフルタイムになった。父は不規則な仕事で、夜勤もある。私はそのころ母が通信で始めようとしていた、お料理のテキストを見るのが好きだった。見たこともないようなきれいなお料理の写真がページをめくると出てくる。しかも作り方まで細かく書いてある。アイスクリームだってこの通りにやれば作れるんだと、やりたい気持ちがむくむく湧いてきたことを覚えている。10歳の時だった。うちに帰っても、妹がおとなしくTVを見ているだけで、ちょうど引っ越しもしたころだったので、静かな放課後をやり過ごす毎日だった。
そして、ある日決心して、本を見ながら作ってみることに挑戦した。家族を驚かせてみたい、喜ばせたい、どっちの気持ちが大きかったのか、今となっては忘れてしまったが、宿題の早く終わった日には私の挑戦が始まった。
とはいえ、本に書いてある材料がそのままそろってもいないので、足りないもの料理だったけど、家族は本当に喜んでくれて、私の中の驚かせたいよりももっと大きな自分の中の嬉しさとなった。自分の担当のお掃除を忘れてまでもお料理にはまった日々だった。
今でも、面倒だなぁと感じることは大いにあるけれど、料理を始めてしまうとついついあれもこれもと次々に創作してしまう。これはきっと没頭していくほどに子供の頃の成功体験が良い感覚で残っているからだろうと思っている。

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