原田マハ:あの絵の前で

読書

私が原田マハさんに魅かれたのは、原田ひ香さんの3千円の使い方を読んで面白くはまってしまい、ほかの物もぜひ読みたいと思って本屋に足を踏み入れた時に、原田マハという名前を見つけたので手にしたことがきっかけだ。

似た感じの名前だなぁとまず名前に興味を持ち、それから題名に釘付けになったのが、キネマの神様。今時はキネマなどという単語はほとんど使わない。大正とか昭和でも前半の言葉だと認識している。その言葉に神様が付くということは、昔の映画の神様の話??本のカバーのあらすじに映画、父、ライターという言葉が出てきて、興味がフツフツと沸き起こり、手に取ったことがきっかけだ。そしてやはり小説の中に入り込んでしまって一気読みした。次に風のマジム、その次に楽園のカンバス、そして今日読み終えたのがあの絵の前でという短編集だ。

マハさんはキュレーターをされていた。しかも大学までを私の故郷、岡山で過ごされている。小説の中にもよく方言が出てくるのでとても楽しい。そしてまた、いくつかのお話にはたくさんの絵が出来る。そして、その解説のようなそれでいて目の前に広がる光景、絵の表現というか説明?が素敵なのだ。ストリーは勿論、出てくる一つ一つの絵にも興味がわき、2度の美味しさを味わえるという大変お得なものが多い。

そして今回のあの絵の前でには6編の小説が詰め込まれている。そのどれもが一つの絵を中心に置いていて、ストリーも胸に迫る涙腺が緩んでしまうものばかりだった。それぞれに核をなす絵がある。その絵を挟んで人と人がつながるような物語。家族であったり、亡くなった身内であったり、恋人、友人。希望の旅立ちをするときにも、自分のやりたい仕事を成すときにも絵がある。絵は会えなかった人に合わせてくれたりもする。いつも見守ってくれるように、いつも力をくれるように、絵が存在している。ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、クリムト、東山魁夷、モネどれも教科書にも出てきて、いつもどこかで展覧会や、オークションにも名前が挙がる。偉大な画家。そして目にしたことがある絵も、そうでない絵も物語とともに目の前に広がるような想像力の湧く言葉の数々。マハさんの小説は絵に対しての言葉の表現が本当にわかりやすく、私のすぐ前にその世界を広げてくれるので、心から楽しめる。一つのお話なのに名画も味わえる美味しい小説なのだ。

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